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第5回定時総会／第29回研究集会 （平成29年12月1-2日、名古屋） |
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| 去る12月1日・2日、名古屋市内のホテルにて、平成29年度第5回定時総会ならびに第29回研究集会が実施された。来賓として、名古屋国税局課税第一部個人課税課・伊藤嘉浩課長、同課・山崎宏和記帳指導専門官と、愛知県青色申告会連合会・浜田武夫会長、同・前川君憲副会長の4名を迎え、青色21ネットワーク研究会を含む17会から約70人が参集した。 開会では、青色21ネットワーク研究会・内田幸一会長が「青色申告会の社団法人化は正しい選択だったが、永続性のある組織としての真価が問われるのはこれから」と喚起を促し、吉田文一特別顧問が「この研究会は素晴らしい活動実績を持つ青色申告会が集まっている。これを全国に広げていこう」と檄を飛ばした。 第1部の定時総会では、開会の辞、国歌斉唱、代表理事（会長）挨拶、来賓紹介に続いて、次の議案が報告・承認された。 第1号議案 ＝ 第5期（平成28年10月1日～平成29年9月30日）事業報告の件 第2号議案 ＝ 第5期（平成28年10月1日～平成29年9月30日）決算報告の件 第3号議案 ＝ 理事補欠専任に関する件 第4号議案 ＝ 第6期（平成29年10月1日～平成30年9月30日）事業計画報告の件 第5号議案 ＝ 第6期（平成29年10月1日～平成30年9月30日）予算報告の件 続く研究集会第1部（1日）では、会員増強と税務当局の支援、平成30年度税制改正に関する提言についての講話や、青色申告会の後継者育成に関するパネルディスカッションが行われ、第2部（2日）では、青色申告会運営について、また、事務局の課題である情報セキュリティとセキュリティマネジメント試験に関する研修が行われた。いずれも喫緊の課題に関するものだが、その中で、吉田特別顧問からは青色申告特別控除65万円の改正についての最新動向が紹介された（青色21ネットワーク研究会フェイスブックにも掲載）。詳細は、吉田特別顧問の頁（青言物申）を参照されたい。 ……………………………………………………………………… 【1日目】 12月1日（金） ●第29回研究集会 第1部 ■挨拶 ・主催者挨拶 ＝ （一社）青色21ネットワーク研究会 会長 内田幸一 ・挨拶（趣旨・目的） ＝ （一社）青色21ネットワーク研究会 特別顧問 吉田文一 ■研修Ⅰ ・「会員増強と局署の支援について」 ＝ 名古屋国税局課税第一部個人課税課 記帳指導専門官 山崎宏和 氏 ★個人課税課では人員削減や業務効率化に迫られる一方で、調査事務量の確保も求められる厳しい状況だが、その中で青色申告会の協力はますます重要になっている。青色申告会に対する支援としては青色記帳説明コーナーが特に重要で、国税局管内で1万4000人に案内を送り、約4500件の青色申請と約550人の青色申告会入会につながった。本コーナーは局内の全税務署で引き続き行っていく。最近の取り組み事例で効果的だった事例として、（1）コーナーの設置場所の工夫（待合場所や入り口付近に設置、入力を待つ間の待ち合わせ場所に設置、提出場所付近に設け帰宅前の申告者にアプローチするなど）、（2）模擬青色申告コーナー（経験豊かな青色申告会役員によるロールプレイイング研修、青色申告の意義や青色申告会のメリットをわかりやすく説明、安価で的確な指導が受けられる点の上手なセールストークなど）、（3）会場が混雑する場合に、会場付近の別の場所に青色申告出張ブースを設置する（会場内が雑然とする場合には別会場の方が落ち着いて話ができる）、（4）青色申告会役職員による講話（特に青色申告会の存在意義について）を実施するなどが紹介された。 ■研修Ⅱ ・「平成30年度税制改正に関する提言について」 ＝ （公社）杉並青色申告会 常勤監事 古達鎮夫 ◆提言全文はこちらをご覧ください。 ★次の提言の要点についての説明。 【1. 所得税】 → （1）「青色申告」制度を本則とし、「白色申告」制度を届出制とする新制度の導入、（2）青色申告特別控除額10万円を30万円への引き上げ、（3）生計を一にする親族が、事業から対価を受ける場合の必要経費の特例（所得税法第56条、同法第57条）の廃止、(4) 少額減価償却資産の取得価額基準の引き上げ、（5）給与所得控除についての抜本的見直しの検討、（6）所得再分配機能の回復を図るための金融所得に係る税率を見直しと段階的課税制度の導入 【2. マイナンバー】 → マイナンバー制度の意義や目的のさらなる周知と、制度の普及・定着のための取り組み 【3. 消費税】 → （1）軽減税率導入の回避と、消費税増収額の財政再建への充当、（2）簡易課税制度の選択届出書の提出期限の変更（確定申告書の提出期限と同じとする）、（3）簡易課税制度選択者の多額の設備投資等に関する特例制度の導入 【4. 税理士法】 → （1）公益社団法人の青色申告会職員に対する臨時税理士の資格附与についての検討 以下、地方税（個人事業税、個人住民税、固定資産税）等についても提言（詳細は提言全文をご参照ください） ■研修Ⅲ ・パネルディスカッション 「青色申告会の後継者づくりについて」 司会 ＝ （一社）青色21ネットワーク研究会 特別顧問 吉田文一 パネラー ＝ （公社）杉並青色申告会 会長 鶴見日出夫 パネラー ＝ （公社）小田原青色申告会 会長 志村宗男 パネラー ＝ （一社）小倉青色申告会 会長 梅原祐治 パネラー ＝ （一社）鹿児島青色申告会 会長 八坂泰司 ★冒頭で吉田特別顧問より、「青色申告会は一時期全国100万人の会員数を誇ったが、現状は54万3000人で、ピーク時に比べて4割減少している。県連単位で会員数が増加したのは47都道府県中7県である」などの現状が示され、各パネラーが次世代に引き継ぐ後継者について発表した。青色申告会の役員、事務局、あるいは会員個々の事業の後継者、役員定年制の是非、青年部の育成など色々な論点から意見が出され、会場からの質疑や意見発表も活発に行われた。 ……………………………………………………………………… 【2日目】 12月2日（土） ●第29回研究集会 第2部 ■研修Ⅳ ・「青色申告会運営に思うこと(４)」 ＝ （一社）青色21ネットワーク研究会 特別顧問 吉田文一 ★（1）会員増強は最大の使命（前年比で会員が増えた青色申告会は全国で45会、うち、11会が青色21ネットワーク研究会のメンバー。県連単位での会員増は全国7県で、うち4県が青色21ネットワーク研究会の会員会）、（2）個人経営者数は減っているのに青色申告者数は増えている（雇用的自営やフリーランスの増加）、（3）脱会者を食い止める（法人成りについて助言できる青色申告会になるべき／税理士を会員に／自計可能な会員には福利厚生その他のサービスでつなぎ止める）、（4）上田惣子「マンガ自営業の老後」の紹介のほか、上述の「青色申告特別控除の見直し」に言及し、「人生100年時代に､青色申告会が100年の人生設計を会員とともに考えていって欲しい」「青色21ネットワーク研究会はこのような情報を公開してみんなできちんと考え議論していく原点であった欲しい」と呼びかけた。 ■研修Ⅴ ・「情報セキュリティとセキュリティマネジメント試験」 ＝ （一社）青色２１ネットワーク研究会 専務理事 伊藤升吾 ★青色申告会がこの問題に無関心であってはならない。少し前までは5000件未満のデータは個人情報保護法の対象外であったが、現在はデータの件数とは無関係に全ての事業者がこの法律に規制されることになっている。そのうえ、青色申告会が扱う個人情報は、実に多様かつ広範囲で、いわば「個人情報の宝庫」あり、情報漏洩のリスクは大きいことを認識しなくてはならない。また、青色申告会事務局退職者による告発で起こった不祥事なども実際にあったなどの例にも触れたうえで、改正個人情報保護法の概要や、独立行政法人情報処理推進機構（IPA）が提供する研修用映像を視聴し、自社診断シートも実施。まずは「セキュリティチェック5カ条」から始めるべき。また、セキュリティアクションの実施や事務局職員に「情報セキュリティマネジメント試験」を積極的に受験させ、合格者には一定の手当を出すなどの奨励策の勧めなどもあった。 ■閉会 ……………………………………………………………………… 【参加会（青色21ネットワーク研究会＋16会）】 
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